お父さんのマリポタ日記

マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと(^_^;

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【裸足でかけてくおかしな妻さん】吉川トリコ 2025年3月

 妊娠中の楓(かえで)は、子どもの父親である作家“先生”の岐阜の実家に引っ越してきた。出産後の育児を案じた先生が、先生の妻・野ゆり(のゆり)と3人で暮らそうと企てた、同居生活の行き先はー。『小説新潮』連載を加筆修正し単行本化。

吉川トリコ(1977年生まれ。名古屋市在住。2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR-18文学賞」第3回大賞および読者賞を受賞。同年、同作が入った短編集「しゃぼん」でデビュー。「余命一年、男をかう」で島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に「コンビニエンス・ラブ」など)

●エンディングは痛快そのもの

 20代の愛人が妊娠し、その面倒を40代の本妻にみさせるべく岐阜の田舎の本宅に連れてきて同居させたはいいが、夫の作家先生は二人を置いてあっという間に東京の仕事場へ逃げ出すという、とんでもない設定で話は始まる。

 「日本だってちょっと前までは妻妾同居なんて珍しくなかったし、愛人の子を引き取って本妻が育てるなんて普通にやってきた」「野ゆりと楓。どっちも植物の名だね。太陽がないと生きていけない」と、作家先生の金村太陽さんは脳天気にのたまう。

 いったい本妻と愛人でどんなバトルが巻き起こるのか。そう思うのだが、本妻は当たり前のようにそれを受け入れ、お腹が大きくなる愛人をかいがいしくお世話する。そんな「おかしな妻さん」と愛人はおかしな生活を続けていく。

 野ゆりはまるで「肝っ玉かあさん」のよう。田舎の専業主婦の鏡のようだが、実は…。楓、野ゆりとそれぞれの章、そして子供が誕生してからの「私たち」の章とどれも読ませてくれる。語り口も軽妙で読みやすく、あっという間にページが進む。

 そしてエンディングは痛快そのもの。こうきたか。野ゆりはやっぱり「おかしな妻さん」だったねぇ。

 「サザエさん」を思わせるタイトルだが、そのタイトルに偽りなし。期待を裏切らなかった。

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