お父さんのマリポタ日記

マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと(^_^;

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【天使に見捨てられた夜】桐野夏生 1994年6月

 疾走したAV女優・一色リサの捜査依頼を私立探偵・村野ミロに持ち込んだのはフェミニズム系の出版社を経営する渡辺房江。ミロの父善三と親しい和多田弁護士を通じてだった。やがて明らかにされていくリサの暗い過去。都会の闇にうごめく欲望と野望を乾いた感性で描く、女流ハードボイルドの長編力作。1999年にかたせ梨乃主演で日活で映画化。

 ※桐野夏生(1951年10月7日、金沢市生まれ。成蹊大法学部卒業後、会社員を経てフリーライターになり、ロマンス小説やジュニア小説を手掛けたほか、レディースコミックの原作者としても活躍。「顔に降りかかる雨」でミステリー作家として本格デビューし、本作で第39回江戸川乱歩賞受賞。98年「OUT」で日本推理作家協会賞、99年「柔らかな頬」で直木賞。2003年「グロテスク」で泉鏡花文学賞、04年「残虐記」で柴田錬三郎賞、05年「魂萌え」で婦人公論文芸賞、ほかに「アンボス・ムンドス」「冒険の国」「東京島」など)

●さすがのストーリーテラー

 女性探偵・村野ミロシリーズの第2作。1994年(平成6年)の作品なので、電話といえば公衆電話、連絡は留守番電話、写真撮ってもDPEで現像プリントするまで何が写っているか分からない、ビデオはVHSでダビングすれば劣化する、調べ物は古本屋や国会図書館へ行き、知らない土地で行き先を調べるために駅前で地図を買うなど、当時は当たり前だったけど、今では「なんじゃ、それ。スマホで全部できんじゃん」というものにあふれている。ミロが散々苦労してやっとのことで知ることができた、鍵となる〝あるもの〟も、ググればあっさりと出てくる。

 今から考えるとそんな不便な時代背景でも、そんなものは関係なくミロが悩み、傷つきながら真実に迫っていく姿には思わず引きずり込まれていく。時代背景を今に置き換えても面白さは変わらないだろう。真実は現地に足を運ばなければ分からない。人と実際に話して見なければ見えてこない。男と女がどうなるかなんて想像できない。最後まで飽きさせない展開だった。さすがのストーリーテラー。そしてすべておいてハードボイルドだった。

 それにしてもミロはあっさりよろめくねぇ。前作もそうだけど。ここだけ女の本能剝き出しでハードボイルドじゃない。まあ、それはそれで魅力的なんだけど^_^;

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