10年ぶりにVCR横浜あおば主催のスーパーコースのブルベ「伊豆300」に挑戦した。
平塚の湘南平をスタートして海沿いを走り、そのまま伊豆半島を1周。三島から箱根峠を上り、元箱根からは箱根旧道をダウンヒルして戻り、最後は標高180メートルの頂上ゴール・湘南平への14%の激坂が待っているという、「アオバヒドイ」の面目躍如たる超難コースだ。57歳だった10年前は17時間33分でフィニッシュしたが、67歳の前期高齢者となった今、無事に完走できるのだろうか。10月17日午前7時、雨具を全く必要としない、気持ちの良い秋晴れの中をやや不安な気持ちのまま走り出した。

午前6時29分 スタート地点の高麗山公園(湘南平)(平塚市)

伊豆300のコース
序盤は平たんで走りやすい国道1号〜国道135号を快調に進み、間瀬はスルーして54キロ地点の網代のセブンで最初の補給。おにぎり・寿司・お弁当を買うと30円引きクーポンがもらえるのだが、次にそのクーポンを使って買ってもまたクーポンがもらえるという、嬉しい無限ループに陥ることとなり、この結果、このブルベの間にセブンに6回も寄ってしまったよ(^_^;
伊東で国道を離れて海沿いの県道に入り、66.7キロ地点のPC1汐吹公園には9時56分に到着。あおばで今シーズンから始まった(と思われる)デジタルチェックは、看板の所では「121メートル離れている」と表示されたので駐車場の奥まで歩くと、といっても20メートルぐらいだけど、なぜかスタンプがゲットできた。用心のためスクショを撮ったのだが、実はPC2で確認したところ、いつの間にかリセットされスタンプが消えてしまったので、これが後になって大いに役立つこととなった。もちろんブルベカードの写真は撮っているので大丈夫なんだけどね。

午前9時16分 参加者で大賑わいの汐吹公園(伊東市)
この時点でグロス平均時速は22キロ。いいペースだねぇ、よしよしと満足。10年前はPC1がもうちょっと先の「いるか浜」だったので、ここでのペースを比較してみると、あれれ、25分ほど今回の方が遅いじゃないか。と、気が付いたのは走り終わってから。この時は10年経っても変わらないんじゃね、などと悦に入っていた。

午前10時4分 いるか浜(伊東市)
東伊豆はアップダウンが続くが、走り始めで元気だし、上りも短いものが多く、さらに追い風にも背中を押され、楽しいサイクリングが続く。
川奈、富戸と県道で抜け、伊豆高原から国道に復帰し、次の補給は河津手前の93キロ地点の白田のセブン。さっそくクーポンを使って「静岡限定いなり」をパクつく。ふと隣を見ると「金目鯛」の幟がはためいている料理店があり、参加者ではない一人の自転車乗りが吸い込まれていった。しまった、いなり買わなきゃ良かったかな。いやいや、ここで折り返す200キロとかならともかく、このコースではお店に入る余裕はないでしょ、と自分を納得させて、からあげ棒にかぶりつく。
稲取、今井浜、河津、白浜と東伊豆の優しいアップダウンを気持ち良く走り抜け、下田へは午後0時51分に到着。10年前と比べると、40分遅れと徐々に差が広がっているのはどうしてだろう? 快調なのにな。

午後0時51分 まどが浜海遊公園(下田市)

午後0時53分 下田港内めぐりの船(下田市)
弓ヶ浜大橋から40キロ先の松崎までコンビニがないので、新湊橋交差点手前の〝最終〟となるセブンで補給した。南〜西伊豆はコンビニ間が離れており自販機もないという事だったので、慎重を期してコンビニが現れるたびに寄ることにしていたが、補給というよりはどちらかというとトイレの問題ですな。ダブルボトルにしていたので水分に関しては足りてるし、補給食も携帯しているのでこちらの方は問題ない。結果的に自販機はちらほらではあるけど困らない程度にあったし、さほど心配することもなかったかもね。今後のために記しておくと、公衆トイレは144キロの一色交差点と161キロ地点の雲見温泉バス停で見かけた。
新湊橋を右折すると車の通行量がぐっと減る。南伊豆の海岸線を進み、石廊崎の付近から上りが始まり、138キロ地点のPC2の「あいあい岬」(漢字だと「愛逢岬」)は下りが始まってすぐのところにある。到着は午後2時1分で、10年前と比べると53分遅れと差は開く一方だ。いつもは風の強い絶景ポイントだけど、この日は穏やかで気持ちいい。「あいあい岬」と看板を掲げたひなびた感じだった売店が、「SOUTH POINT」というおしゃれなカフェに替わっていて驚いた。

午後1時40分 南伊豆の海岸

午後2時1分 あいあい岬(南伊豆町)

午後2時6分 愛逢岬バス停(南伊豆町)
さて、いよいよ西伊豆の容赦ないアップダウンが始まる。いや「アップアップアップアップダウン」という感じ。距離はアップもダウンも同じだけど、いつまで経ってもアップが終わらず、待望のダウンはあっという間。これが延々と続いていくのだ。そんな感覚。西伊豆はホント、キツいよ。
3度のピークを過ぎた後にマーガレットラインに入るのだが、そのあたりから7キロ近い長い上りが始まる。いったんのピークは右手にネパールカレーのお店、左手に「夕日ヶ丘展望広場」のある場所だが、夕日にはまだ早いので自販機休憩をしただけで、そのまま通り過ぎる。
下り降りたところが雲見でマーガレットラインはここで終わりらしい。やがて松崎に入り、沿線に21体の彫刻が並んでいるという「富士見彫刻ライン」となる。もちろんじっくり見たり写真を撮る余裕はなく、アップダウンに耐えながら淡々と進んで行く。
40キロぶりに現れたコンビニ、仁科川河口のセブンで減った腹を落ち着かせ、ちょっとのんびり。時刻は午後4時23分。絶景の西伊豆の日の入りまでもう少しだ。

午後3時43分 雲見海岸(松崎町)
ところが。もう少し日が沈んでから撮影しようと思っていたら、堂ヶ島の先から道がどんどん海岸線から離れていき、間の悪いことに連続してトンネルが続く区間となってしまった。おい、こら! 日が沈んじゃうじゃんかよう。せっかくここまで来たのに見ることさえできないのか。最後の964メートルの黄金崎トンネルを必死の思いで抜け出ると、夕日はすでに4分の3近くが海の中に飲み込まれている。慌ててストップし、スマホを構える。しかしシャッターを押す直前に夕日は無情にもあっという間にドボンと沈んでしまった。あ〜、間に合わなかったか(T_T) 写真のタイムスタンプは午後5時8分。まさに日の入りの時刻だった。無念きわまりないぜよ。

午後5時8分 夕日が沈んだ宇久須付近(西伊豆町)
気を取り直して先へ進み、恋人岬へ上り土肥へと下る。この付近からナイトランが始まり、同時にキツくて長い上りが連続して暗闇の中から現れる。最初の上りの途中が200キロ地点となり、11時間台で走りきっていて自分としてはいつものペースなのだが、どうも最後尾に近い気がする。参加者は15人程度だったけど、自分以外は見るからに精鋭だったからなぁ。

午後5時23分 恋人岬(伊豆市)

午後5時37分 すっかり日が沈んだ土肥付近(伊豆市)

午後5時43分 土肥金山(伊豆市)

午後5時48分 旅人岬(伊豆市)
戸田三差路のセブンでストップし、レッグウオーマーを付け、アームウオーマーの上に長袖インナーを着込む。薄手のウインドブレーカーも羽織った。午後7時近くになりさすが冷えてきたからねぇと対策したのだが、目の前を素足むきだしレーパンのまま通り過ぎていった参加者がいたよ。
着替えている間に2人に抜かれたことで、どうやら最後尾が決定的となったようだった。
戸田三差路でほとんどの車が右折して修善寺方面へ向かう中、ただ一人直進する。西伊豆の上りはまだ2つ残っている。でもこれで終わりじゃない。ラスボスの箱根への長〜い上りが待っていると思うと気が滅入るが、とりあえず今、この瞬間を頑張ろう。暗闇の中、ふらふらと上っていく。
そしてガーミンに表示されたスマホの通知。「DeNA4連勝で日本シリーズ進出」。我が阪神タイガースがまさかの4連敗とは。はぁ〜。全身から力が抜けていくよ。でもね、もしブルベに参加しないでリアルタイムで見てたら、立ち直れないほどのショックだったろうね、ということは、帰宅後に思い知ることとなる。SNSに流れてきた「あと1球コールやめたら?」という意味がようやく分かった。
さて、再び気を取り直し、夕映えの丘を過ぎ、212キロ地点のPC3の出逢い岬にたどり着く。午後7時18分。10年前に比べると1時間41分遅れと、一気に広がった。この10年前との差はこれを書きながら調べているので、走っている時は正確な差は分からないが、少なくとも10年前から1時間以上遅れているのではという危惧はあった。ヘタすりゃ間に合わないかもと思い始めたのもこの頃だ。

午後7時13分 夕映えの丘(沼津市)

午後7時18分 出逢い岬(沼津市)
出逢い岬には2人が先着しており、そのうちの一人が自分が最後尾だと言う。膝を痛めたそうで、西伊豆は結構歩いたが、誰にも抜かれなかったのでそう確信したらしい。その人に先ほどセブンで抜かれたので、今は自分が最後尾だ(^_^; 間に合いますかねぇ、でもDNFしても車を湘南平に置いているのでタイムオーバーでも帰らなくちゃ、なんて話し、その後、しばらく一緒に走ったのだが、その方は途中の自販機でストップして離脱。それ以来会う機会がなく、ゴールでも見かけなかった。どうしたのだろうか。
222キロ地点で西伊豆のアップダウンはようやく終了。30キロ近く平たんな道が続くが、三島までが遠かった。
函南のセブンで最後の補給を終え、国道1号に入り、いよいよ箱根峠までの15.2キロの登坂に挑む。獲得標高806メートル、平均勾配5.4%、最高勾配9.4%。ここまでのグロス平均時速は17キロ台の前半。これがピークまで上った時、15キロ台を維持していれば完走が見えてくる。
このブルベのもうひとつの絶景がここにある。上る途中に振り返ると、三島の(百万ドル?の)夜景が視界に広がるのだ。10年前もそれをしっかりと目に焼き付けていた。
ところが。またしてもところが、なのだ。上り始めはバックミラーに夜景が映り、お、しっかり見えてるぞ、でももう少し上ってからの方がいいんじゃね、とりあえず半分ほど上ってから絶景休憩にしようかね、ということで7キロ強を上ってからストップ。おもむろに振り向くと、あぁ、自分が上ってきた道しかみえない。上り過ぎたか。それとも勾配の関係で死角となったか。残念…(T_T) 帰宅後に前回のブログを確認すると、5キロほどの所でストップして夜景を堪能していた。復習が足りなかったようですな。
車線が2つあるせいなのだろうか、爆音を響かせ猛スピードで上ってくる〝走り屋〟がたまに通り過ぎて行く。路肩が広いので、ぶっ飛ばそうがどうしようがいいのだが、やがて工事区間となって1車線になり路肩がほとんどなくなると、話は別。カーブもがんがん攻めてくるので、怖くて仕方ない。事故のとばっちりとかゴメンだよ。ときおりトラックがすげ〜勢いで抜いていくのもヒヤヒヤもの。歩道に逃げようとしても草ボウボウで走れそうもない。この区間は生きた心地がしなかったよ。
ライトの充電などでその後は2度ほど足つき。265.5キロ地点の箱根峠にたどり着いたのは午後11時31分。2時間ぐらいかかるかと思っていたが、1時間半ほどで上れたようだ。そしてグロス平均時速は15.9キロ。お〜、間に合うぞ(^o^) ちなみに10年前と比べると1時間2分遅れと39分も挽回している。おかしい。平たんで離され上りで短縮するなんて、どういうこと? もともと上りが遅いからかな。

午後11時31分 箱根峠(箱根町)
峠でウインドブレーカーを着込んでいるスキに一人に抜かれ、あれ、最後尾だったのにいつ抜いたんだろう、と思いつつダウンヒル開始。午後11時45分に268.1キロ地点の最終PCの箱根関所に到着した。先ほど抜かれた人と、もう一人が先着していた。

午後11時45分 箱根関所(箱根町)
元箱根から少し上り、箱根旧街道へ。いよいよ待望の天国のダウンヒルが始まるぞ〜(^o^) 真っ暗だけど何度も下っているので道は熟知している。10年前は怖かったけど、今は余裕を持って走り抜けられる。車もまったくいない。途中からは箱根関所で会った人が追いついてきてライトが増えたしね。気持ちのいいダウンヒルだった。ただ、どこかで目にした気温が8度。PEKOさんの「超コンパクトオーバーミトン(手袋)」を持ってきて良かった。
早川口でウインドブレーカーを脱いでいるスキに二人に抜かれた。ん? まだ二人いたのか。じゃ、これで完ぺきに最後尾だねぇ、もう誰にも会えないかと思っていたら、押切の坂で反射ベスト発見。ちょっとペースが遅かったので抜いてしまったのだが、きっと膝でも痛めたのかな、苦しそうだったね。でないと抜けるわけないもんね。
さて、ゴールまであと1.6キロ地点に立ちはだかる、ラスボスその2の湘南平。10年前はパンダ坂を上った後に休憩したものの、何とか自転車に乗って上ったのだが、今回は鼻から諦めた。勾配が10%を超えた所から押し歩き。それでも14%のパンダ坂は押し歩きでも苦しい。自転車をその辺に置いて行きたくなったけど、自転車と一緒じゃないとゴールは認められないよね、きっと(^_^; いやぁ、ホントに「アオバヒドイ」。
深夜でもちょっと賑やかな(?)305.8キロ地点の高麗山公園に午前1時54分にふらふらでフィニッシュ。タイムは18時間54分。一時はどうなることかと思ったけど、何とか間に合ったよ。

午前1時54分 高麗山公園(湘南平)(平塚市)
10年前と比べると1時間19分の遅れとなった。箱根峠からは少し増えているが、たぶん湘南平の押し歩きのせいと思われるので、後半は10年前と遜色ないペースだったようだ。獲得標高は4815メートルで、ここ5年間では自己ベストだった。
いや〜、ほんとに疲れたよ。でも、ブルベはやっぱり楽しい。難コースで参加者も少なかったのでほぼひとり旅かと思ったけど、相前後しながらPCでは必ず誰かに会えたしね。
ちなみにトップは13時間台で、クライマータイプの人だったようだ。5時間も違うのか、上れる人はいいなぁ、はぁ〜とため息をついたが、実は10年前のトップはなんと12時間台だった。上には上がいるもんですな。
ともかくこの300キロ完走で8年ぶりのSRにリーチ! 残るは600キロなんだけど、ランドヌ東京の関東1周も御前崎も予定が合わず走れない。あ〜、残念(T_T)
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